
「へんじゃごしょさま」は、文明3年(1471年)から5年の間に蓮如上人が書かれた18通の「御文」を、蓮如上人の弟子・蓮崇という人が書写して冊子にまとめた御文本です。蓮崇書写本とも呼ばれています。
この「へんじゃごしょさま」の端書は、蓮如上人が直接書かれたものです。「于時文明第五 九月廿三日に藤島鄕の内林鄕超勝寺において、この端書を蓮崇所望のあひだ、同廿七日申の剋にいたりて筆をそめおはりぬ」と書かれているように、蓮崇の願いによって蓮如上人が端書を加えられました。また、へんじゃごしょさまはには、蓮如上人による訂正・追記なども施されています。
このように蓮如上人が直接内容を確認されていることから、この「へんじゃごしょさま」は蓮如上人自筆本に準じる資料価値があります。また、一通一通の「御文」を冊子の形で聖典として用いた最初期の例として学術的にも大変貴重なものです。