
左の写真は西光寺蔵の「御絵伝」の第一軸で、蓮如時代の文明三年(1471年)本願寺より下付されたものです。
本願寺3代門主覚如上人は、親鸞聖人御一代を絵巻形式の絵図と詞書(ことばがき)であらわされた「善信聖人絵」を作られました。その後「親鸞伝絵」と呼ばれていくつかの写本が作られ、普及していきました。それがいつの頃からか、聖人のご生涯を多くのご門徒の方が拝見できるようにと、絵巻の文章と絵を別々に分け、今の「御伝鈔」と「御絵伝」と呼ばれている形式になりました。御絵伝は、四幅並んだ右下から見ていきます。
本絵伝は石川県に遺存する文明期以前の親鸞絵伝四例のうちの一つで、珠洲市の文化財に指定されています。

左の写真は、西光寺蔵の「御絵伝」の裏書きです。
釈蓮如(花押)
辛
文明三歳 六月廿五日
卯
加州加ト郡蒼月庄
大谷本願寺親鸞聖人之縁起
木越光徳寺常住物也 願主 釈乗誓
とあるように、蓮如時代の文明3年(1471年)本願寺より下付されたものです。
この絵伝は光徳寺(もと河北郡倉月庄木越村、現在七尾市)に下付されたものですが、のち西光寺に移されたことを第13代門主宣如の加筆によって知ることができます。
裏書き 第13代門主宣如(1604年~1658年)の加筆

釈宣如(花押)
右四軸依展転長福寺下
能州鈴郡正院町西光寺
釈慶円奉安置者也
寛永参暦丙寅閏四月廿八日加筆之
*寛永3年(1626年)
*慶円 西光寺9代住職